命を繋ぐ、命の大切さを感じてほしい

1枚のメモとともに保管されたウラギンシジミ。東日本大震災のおよそ1ヶ月後、自宅の裏庭で採集されました。

片岡史昭さん:
「あの悪魔のような東日本大震災にも耐えて、4月7日の深夜の余震があってその翌日、4月8日、(裏庭の)椿の真下に落下して死んでいたのを妻が発見して。珍しいチョウではないが、見捨てるに忍びなく標本として、永遠に命を繋いであげようと…」

標本にすることで、命を繋ぐ。片岡さんは、葛藤を抱きながらチョウの採集を続けてきたと語ります。

片岡史昭さん:
「殺さなきゃいいのにと思うが、でも誰かが殺して捕獲して標本にしないと歴史に残っていかない。(子どもたちには)命の大切さ、そういう部分を感じてもらえればと」

塩釜市立第二小学校 相澤武弘校長:
「片岡さんのこれまで集めてこられた歴史を感じた。子どもたちの笑顔が浮かぶ」

塩釜市立第二小学校 相澤武弘校長

標本は、新学期から子どもたちが自由に見られるようにし、理科の授業などでも活用される予定です。片岡さんは、寂しさを感じつつも大事な「宝物」を子どもたちに繋ぎました。

片岡さんは、チョウだけではなく登山の愛好家でもあって、日本百名山すべてを制覇しています。登った山々でチョウも採集してきたため、これだけの種類をコレクションできたということです。