「卵子凍結」のその後を考える 「卵子凍結」は利用率15%

こうした中で、卵子凍結を推進するだけではなく、「凍結保存した卵子の利用を高めることも必要」だと卵子凍結の診療を行う橋本医師は指摘しています。

京野アートクリニック高輪では、2014年から2021年までの間に約400人に卵子凍結を実施。そのうち、凍結した卵子で妊娠するために再び受診したのは、約60人、15%だったといいます。

京野アートクリニック高輪 橋本朋子副院長
「マッチングというか、お相手が見つからないと、結局その卵子を使うところに至らないわけですよね」

一方で、ニューヨーク大学では、卵子凍結を行った543人中、332人(約60%)が卵子を利用したという調査報告(2004年~2020年)が発表されています。

京野アートクリニック高輪 橋本朋子副院長
「海外の利用率が日本よりも高いというのは、おそらく選択的シングルマザーというのが女性の生き方として、そういう選択肢がある。それを許容しているかどうかということが、大きいのかなと推測をしております。それを希望されても、日本では現状できないということになるわけなんですよね。ただ、そういう方たちは、卵子を凍結保存しても、使うという土俵に上れないですよね。果たしてそれでいいのかなという思いはありまして」