産むための“選択肢”「卵子凍結」とは、「卵子」を凍結保存して、将来の妊娠に備えようというもの。これまでは病気やその治療によって、卵子が影響を受ける場合に行われていましたが、実は今、健康な女性の間でも「卵子凍結」が広がっているんです。

私が「卵子凍結」した理由 産む“選択肢”

都内に住む本多麻子さん(38)。37歳の時に卵子凍結をしました。

本多さん
「2回採卵したので、そのたびに写真をもらったんですけど。これが私の卵子の写真です」

東京で一人暮らし。IT系企業にフルタイムで働き、結婚・妊娠・出産の経験はありません。そんな本多さんにキッカケが訪れたのは36歳の時でした。

本多さん
「久しぶりに一人暮らしになって、これからどうしようかなと、ちょっと立ち止まったというか。(妊娠・出産について)一生懸命答えを出そうとしても、その間に時間が経つと、なんかどんどん猶予がなくなっていくような、そんな焦りもあったので。卵子凍結をしたら、考える時間が少し延びるのかなって」

2回の採卵手術を行い、計21個の卵子を凍結保存しています。

本多さん
「焦りというものもなくなりましたね。卵子凍結をして、妊娠の確率が上がったから安心したのではなくて。どちらかというと、現実、これぐらいの妊娠率で、卵子凍結しても妊娠できるかもわからないし。ただ、そういったものにきちんと向き合ったことで、運を天に任せてみよう、そんな気持ちに楽観的になれたというか」

いま、本多さんのような健康な女性の間で、将来的な妊娠の備えとして「卵子凍結」を選択する考えが広がっています。

凍結卵子の保管サービスなどを行う企業が平日の夜に開催したオンラインイベント。

経験者から話が聞けるという内容で、30人以上の女性が集まっていました。

経験者(34)
「全員がやるべきとは全く思いません。やるかどうかは、その人の価値観次第だと思います。ただ、あの時に真剣に検討しておけばよかったと後悔することだけは避けてもらたらなと思っています

セミナー後、参加者に話を聞きいてみると・・・

セミナー参加者(41)
「採卵をするという時には通院するんですけれども。結構2~3日おきに半休・有給を会社に出すようになるんですね。そうすると結構大変」

セミナー参加者(34)
「例えば35歳で行ったとしても、(妊娠までに)120~130万円とかまで最終的にはかかってくるのかなって。かなりの負担としては大きく感じていまして、なので未だにちょっと検討している」

前向きに検討しながらも、経済的な理由から決断をためらうこともあるようです。

セミナー参加者(34)
国や地方自治体からの補助があるともっと皆さん利用しやすいのかなというのが大きくあります。あとは、それぞれの収入に合わせた補助とかであれば、さらに平等にやっていけるのかなって」