ビジネス記録の改ざんに関する34の罪で起訴された、アメリカのトランプ前大統領。罪状全てあわせると最高で136年の懲役になるという報道もあります。
すでにトランプ氏が出馬を表明している大統領選挙に、この起訴は影響してくるのでしょうか?専門家はトランプ氏の中に「選挙戦を有利に進めたい」考えがあると指摘しています。
34の罪、最高で懲役136年「立候補を妨げる規定はない」
南波雅俊キャスター:
トランプ前大統領が34の罪で起訴されました。すでに立候補を表明している大統領選にどのような影響をもたらしていくのか?

今回の起訴、具体的な内容としてあげられるのが“ポルノ女優ら複数への口止め料の支払いなどを巡り記録の改ざんがあった”ことです。選挙期間中に不倫関係にあったとされるポルノ女優に弁護士が口止め料を支払った。その後、トランプ前大統領が弁護士に口止め料分を弁済したのですが、そこをわからなくさせるような改ざんがあった。これもその中の一つです。
ロイター通信によると、ニューヨーク州法では罪状を全て合わせると最高136年の懲役刑になるといいます。
※実際ははるかに短い公算が大きい

トランプ氏はすべての無罪を主張し、支持者の前では「地方のダメな検事が大統領を史上初めて被告人にした。法の専門家がそろって事件ではないと指摘している」と話しました。
ではトランプ氏は“大統領選挙”に出られるのでしょうか?

大統領の資格(アメリカの憲法では)
▼アメリカ生まれ(出生による市民権保持者)
▼35歳以上
▼14年以上アメリカに居住
アメリカ政治に詳しい早稲田大学の中林美恵子教授は「仮にトランプ氏が有罪になっても立候補を妨げる規定はない」と話しています。実際にこれまでも、1920年と1992年に服役中の立候補者がいたという事例もあります。
ホラン千秋キャスター:
選挙を控えながら裁判も並行して行うことについて、ポイントはどこにありますか?
萩谷麻衣子 弁護士:
検察が重罪について有力な証拠を出して立証できるかがポイントだと思います。今は起訴されて支持率が上がっているようですが、大統領選挙の行方は浮動票が大きく影響してきます。無党派層の人たちが有罪であること、嫌疑があることをどう評価するか。検察側がどれだけ有力な証拠をどれだけ出せるかということではないでしょうか?
井上貴博キャスター:
罪が重いのか軽いのかをどう判断するか。毎回不思議だなと思うのは、日本を含め世界中の既成メディアで知識人がトランプ氏を批判をしていますが、批判すればするほどトランプ陣営は強固になっている。トランプ氏はむしろこれをチャンスと捉えている節がありますよね。
萩谷弁護士:
批判が出れば出るほどトランプ氏に注目が集まる。よりメディアは、さらにトランプ氏を報道するようになって露出が多くなる。支持者は『トランプ氏はいじめられてる』『不当に批判されている』と思い支持を高めるということになる。メディアがどう行動するかという責任は、非常に大きいと思います。
井上キャスター:
本気で陰謀だと捉えている方が多くいらっしゃいますからね。