福島県浪江町の帰還困難区域の一部の避難指示が、3月31日に解除されました。この地域への帰還に向けた課題のひとつと言われる「買い物の環境」を改善しようと、食料品などを販売する移動販売車が動き出しました。
水津邦治アナウンサー「こちらが移動販売車です。住民に必要な食料品などが詰め込まれています」
この移動販売車は、浪江町とイオン東北が協力して運用していて、3月31日に避難指示が解除された津島地区でも、5日から運行が始まりました。車両は、環境に配慮した水素を使った燃料電池車です。
5日は、浪江町の津島地区に整備された町営住宅の入り口で食料品や生活用品を販売し、帰還した住民がさっそく買い求めていました。
町営住宅の住民「楽しみにしていました。これから帰る方や車を運転しない方も大いに助かると思います」
販売を担当する店員のひとりは、実は津島地区出身の女性でした。
津島出身の販売員「津島に戻って来られると思っていなかったので、住民の方が戻ってきて生活できるというのは本当にうれしいことです」
町では、避難指示解除に合わせて津島地区に町営住宅10戸を整備し、現在3世帯3人が暮らしています。
浪江町・吉田栄光町長「津島の帰還された住民の方々の笑顔を見ると分かるように、帰った町民の方々を支えていただいている大事な事業だと思っている」
浪江町では、まだ避難指示が解除されていない帰還困難区域が全体の8割を占めていますが、こうした移動販売が課題を克服するひとつのきっかけになってほしいと考えています。
浪江町・吉田栄光町長「地域全体の復興を国に提案して、間を置かずになるべく解除を進めて新たな津島地区に取り戻していく考えです」
この移動販売車は、浪江町と双葉町のあわせて18か所をめぐり復興の歩みを進める地域の生活を支えます。













