江東区がついに実力行使

江東区は「約束が違う」と実力行使に乗り出します。区長自ら先頭に立ち、杉並区からのゴミトラックは江東区に一切入れず、ゴミ処理を拒否したのです。

江東区の超強硬「杉並区のゴミは持ち帰れ」策。

江東区の杉並区拒否はかなり徹底したもので、東京都のゴミ処理業組合とも連携し、トラックのドライバーをいちいち止めてはどこの区のゴミかを問い質しました。
杉並と分かると、即、Uターン。杉並区の車両は一切ゴミ処理施設内に入れなくしたのです。
その結果…。

この騒動はテレビ各局で全国的に大きく取りあげられ「住民エゴ」という語が、ここから生まれることになったといいます。日本ばかりか世界的にもNIMBYの典型的な事例として取りあげられたりもしました。
NIMBYとは“Not In My Back Yard”つまり「必要だとは分かっているけど、ウチの裏庭に作るのはお断り」の意味。
要するに「迷惑施設は別のところに作るべきで自分の家の近くはイヤ」という典型的な「住民エゴ」の例のことです。

その後の東京、このときの教訓が今に

杉並清掃工場は1978年(昭和53年)に着工、1982年(昭和57年)12月に竣工・稼働しました。ゴミ戦争勃発から10年以上経過して、ようやくの解決でした。

現在の東京23区は、それぞれの区の独自の政策に基づき、ゴミの3Rに取り組んでいます。3Rとは……。
Reduce(ゴミを減らそう)
Reuse(再利用しよう)
Recycle(リサイクルしよう) のこと。
ゴミの処理に頭を悩ますよりも、そもそもゴミを出さないこと。
これこそが現代最大の課題となっています。この目標は、国連で2015年に決めたのがSDGs「持続可能な開発目標」にも通じる話です。

現在の最先端ゴミ処理施設・東京23区清掃一部事務組合・港清掃工場 / 港資源化センター(東京都港区港南)