来月、オーストリアのウィーンで開かれる核兵器禁止条約の第1回締約国会議に長崎市の田上市長が参加することが決まりました。

田上 富久 長崎市長「核兵器のない世界の実現に向けてさらなる結束を呼び掛けたい」

田上 富久 長崎市長「核兵器のない世界の実現に向けて、さらなる結束を呼び掛けたいと思っています」


9日、開かれた長崎市議会の各派代表者会議で、田上市長が核兵器禁止条約の第1回締約国会議に被爆地及び平和首長会議の代表として参加することが承認されました。

去年1月に発効した核兵器禁止条約は、第1回締約国会議が来月21日から23日まで国連のウィーン事務所で開かれることになっていて、長崎市からは田上市長や深堀  義昭 市議会 議長ら5人が参加するということです。

長崎市田上市長「被爆者の皆さんがずっと鳴らし続けてきてくれた警鐘が、今、最大限に鳴っている時だと思いますので、そういった思いも含めて、ウィーンで発信することが、伝えることができれば、と思っています」

長崎市は今後、締約国会議での田上市長のスピーチの機会を模索するほか、核兵器の非人道性に関する国際会議にも出席することになっています。

また、会議に合わせ長崎の被爆者もウィーンに渡ります。
その1人が、2歳の時に被爆した朝長 万左男さんです。

朝長 万左男さん「まだね核兵器禁止条約は十分に世界に広がっていないんですよね。それぞれの国の国民が、もっと条約のことを知らないとだめだと思う。条約を(市民に)広めていくのが僕ら被爆者の役割」

核兵器の使用も懸念されているロシアのウクライナ侵攻。
ロシアのプーチン大統領は9日、対ドイツの戦勝記念日の式典でウクライナ侵攻を正当化するなど依然、緊張が続いています。

朝長さんは、こうした中での会議の開催に期待を寄せています。
朝長 万左男さん「すぐ近くのウィーンでこういう会議をやるとした場合ね、どういう影響があるか、多分影響は相当あるだろうなと思うんですよね。核兵器保有国とか日本のような核の傘に依存している国は30か国ぐらいあるんですけどね、全然署名していない。そういうのを突破していくにはどうしたらいいか、そういう議論を聞いて来たいですね、まずは」

長崎からはこのほか高校生平和大使の派遣も検討されているということです。