「国の責任で住民に説明を」ミサイル部隊計画

与那国島の住民は…

住民
「ちょっと心配ではあるかなと思うが、すぐに逃げようとかそういうのはない」

住民
「むやみに使うものではないという説明がきちんとなされたら、またそこからの話だと思う」

ミサイル部隊の配備に前向きだという、現町長に直接聞きました。

ーー配備に賛成ですか、反対ですか?

糸数健一 町長
「私は賛成ですよ」

ーーそれは、なぜですか?

糸数 町長
「町民の命を守るためですよ」

「賛成」の一方で、住民への説明を防衛大臣に求めています。

糸数 町長
「国の責任で町民説明はやる必要があると、(防衛大臣に)強く要請している」

離党にミサイル部隊…“南西シフト”なぜ?

小川彩佳キャスター:
取材にあたったTBS萩原解説・専門記者室長に加わってもらいます。今回なぜ与那国島にミサイル部隊の配備計画が出てきているんでしょうか?

TBS 萩原豊 解説・専門記者室長:
これは中国への対応、さらには台湾有事を想定した配備になっています。2010年以降ですね、防衛省はいわゆる南西シフトというのを進めているんです。
自衛隊の駐屯地が次々と開設されました。そして、ミサイル部隊なんですが、既に奄美大島、そして宮古島にあります。

2023年3月、駐屯地が開設されたばかりの石垣島にも配備が予定されているんです。

そして今回、与那国島・駐屯地に計画案が浮上してきたというわけなんです。
この南西シフトの強化というのは安保3文書にも明確に方針が示されています。

山本恵里伽キャスター:
これだけミサイル部隊を配備しなければいけないのは、それほど中国の脅威が高まっているということでしょうか?

萩原 解説・専門記者室長:
中国は第1列島線、台湾有事を想定した防衛ラインを独自に引いています。
この辺りの海峡が、非常に緊張が高まりやすくなってるんです。

例えば2022年の8月、当時アメリカの下院議長が台湾を訪問したとき、反発した中国の9発の弾道ミサイルが落下することがありました。与那国島に非常に近いところです。

海上自衛隊の元司令官の香田洋二さんは、迎撃ミサイルがなぜ必要なのかについて…

香田洋二 元海上自衛隊自衛艦隊司令官
「中国の強みである短距離・中距離の対地ミサイルの第1撃を、可能な限り払いのける能力を自衛隊は持ちたい」