こうした中、早い段階、2月で賃上げを経営判断で決めた企業もあります。

白山市に大きな工場をかまえるホクショーは、倉庫などで物を上下に素早く運ぶ垂直搬送システムや、仕分け搬送システムなどの製造を手がけ、従業員はおよそ350人です。

ホクショー・北村宜大社長
「今の物価上昇率4%からすると、定昇だけではそこまでいかないのでベアせざるを得ない。ちょっと勢いみたいなところもある」


ホクショーでは2月に給与を改め、定期昇給とベースアップを含め4.05%の賃上げを実施しました。

社員
「正直うれしいというのが一番、北陸なので暖房とかけっこう高かったので、実際上がったのは助かった」


ホクショーは労働組合がなく、経営者側の決断による今回の賃上げです。

賃上げムードは全体的に高いようです。

ただ、今回の春闘でも少し心配されていることですが、すべての業種で賃上げの流れが起きるかは課題としてあります。

連合石川・福田佳央会長
「パーツを元請け会社なり取引会社に納入しているところ。ここが価格転嫁、簡単にできるかというとそこが難しい」

一方、経営者は…

ホクショー・北村宜大社長
「(下請けに)波及されていると思う。鉄の値段は2年前の1.6~1.7倍、それで仕入れている。価格アップを見ていると、ちゃんと反映するところはされている」

個別の企業の賃上げに加え、部品や製品の価格が適切に上げられているのか、組合側も経営者側も気にしているようです。

経営者側の団体、経団連も今回の賃上げを通しては「デフレマインドの脱却を」と強調しています。

モノも給料も安いままの日本ではだめだという考えは、政府も労働組合も経営者も一致していて、この特徴が今回の春闘で見えています。