110番への誤発信は、これまで、119番通報とかけ間違えるケースが多かったと言います。


しかし、おととし(2021年)まで、年間の110番受理件数の6%程で推移していた誤発信の割合は去年(2022年)13%と倍増。

急増した理由は…


(県警・通信指令課)「(誤発信の)分析をしたところAndroidのスマホを使われている方が非常に多いという話が出てきまして、Androidの中に緊急通報機能という機能が加わっていることが判明しました」


緊急通報機能とは、スマートフォンの電源ボタンを5回押すと、5秒後に110番通報されるという機能です。


この機能はAndroidのアップデートで追加され、去年(2022年)夏ごろから普及したもので、基本設定が110番に繋がるようになっています。

このことを多くの人が知りません。


知らない間に電源ボタンを5回押してしまい、110番へ通報してしまうケースが急増しているようです。


県警は去年12月に実際に誤発信した301人にアンケートを実施したところ、およそ95%がAndroid端末でした。


中には同じ人から50件連続でかかってきたケースもあり、警察は、緊急通報機能が誤発信の増えた大きな要因と考えています。


事件・事故の初動捜査の要となる110番通報。
県内で発信された通報は全て県警本部の通信指令室に繋がります。

警察は、誤発信は本来必要な緊急時での対応に大きな支障になっていると話します。


(県警・通信指令課)「万が一、間違って通報してしまった場合でもすぐに切らないでいただきたい。警察が安全を確認するまではこちらから再度かけ直しをしたりという作業が必要になってしまいますので、通報を受けた警察官が安全を確認するまでそのままの状態で通話をしてもらって、間違えましたというふうに伝えてもらいたい」


110番への誤発信は、スマートフォンの設定変更で防ぐことができます。


手順はスマートフォンの設定の中にある「緊急SOS」の項目をタップし、ボタンを左側のオフモードに切り替えるだけ。


また、緊急通報先の電話番号を変えることで、110番につながらないよう設定することもできます。


県警では動画配信サイトでも誤発信への注意を呼びかけています。


(県警・通信指令課)「(110番通報は)ここにいる勤務員だけではなくて警察署の警察官、それから警察本部の警察官すべてが動き出すということになりますので、非常に重要な1本の電話ということになります。ぜひ重要性を認識していただいて通報していただきたいと思います」


今年に入ってからも、2月までの110番通報の16%が誤発信で、依然、高い割合を占めています。

誤発信を減らすために、まずは、自分のスマートフォンの設定を確認することが必要です。