しかし、厳しい現実もあります。

プロリーグの報酬は1試合、5000円。


神矢さんは週5日、御代田町の工作機械メーカーでフルタイムで働いています。

リーグが開幕してからも、仕事を続けるつもりです。

体を休める貴重な休み時間は…。


「ごめんなさい 自分の世界に入っちゃいます」


いつも、バスケの動画をみて過ごします。

今より少しでもうまくなるために、どこにいても、何をしていても、暇さえあればこうして爪を研ぎます。


「関東に行けば強いのが当たり前って思っちゃうのがあれなんですけど、こういう田舎でも逸材は眠っているんだぞっていうのを見せつけたい」

チーム練習のほかに、始めたことがあります。

個人でトレーナーと契約し、怪我をしないための体づくりに励んでいます。

バスケに人生を懸ける理由は、中学生のころに直接指導を受け、それ以来、抱き続けてきたプロへの憧れです。


「プロの人たちと触れ合って、あぁすごいなっていうのを目の前で肌で感じて、わたしもそっち側の立場になりたいなって」


この日、チームは佐久市が開いたイベントに招かれました。

小学生や中学生が、3人制バスケに挑戦します。


ルール説明や審判など、試合の運営を選手たちが務めました。

積極的にこうした催しに参加するのは、子どもたちにプロの存在を身近に感じてもらうためです。


(神矢さん)「プロの人たちに教えてもらって、できなかったひとつのドリブルができるようになったりとか、やっぱりプロすごいな、私もこういうふうな立場になってみたいな、少しでも自分の力が子どもたちに影響を与えられる存在になりたいなと思って。これからはもっと苦しいかもしれないですけど、それを楽しみにしてやっていきたい」


プロリーグの開幕は6月。
憧れのその先へ、世界一を目指して神矢さんの大きな挑戦が始まります。