初めての出産を控えた臨月に東日本大震災を経験した女性が宮城県石巻市にいます。震災発生から6日後に生まれた長男は3月、小学校を卒業しました。未曽有の災害の中で新たな命を生んだ女性が母として、今伝えたいこととは。
あの日、臨月の佐々木さんを襲った津波
「卒業証書、佐々木伶汰さん」
3月17日、石巻市立住吉小学校で卒業式に臨む親子の姿がありました。佐々木有香子さんと長男の怜汰さんです。
佐々木有香子さん:
「子どもの成長を著しく感じた式でとても良い式でした、感無量でした」

佐々木さんはいまから12年前、2011年3月、初めての出産を間近に控えていました。当時を佐々木さんは思い出します。
佐々木有香子さん:
「ちょうどあそこにみえる日和大橋のすれすれまで津波がきたんですよね」
あの日、婦人科検診を終えた佐々木さんは、石巻市湊地区にある妹の家を訪れていました。運命の午後2時46分…。