イスラエルのネタニヤフ首相は、司法改革をめぐり対立していた国防相を更迭しました。これを受け、各地で大規模な抗議デモが発生、警察との衝突も起きるなど混乱が広がっています。

イスラエル首相府は26日、ネタニヤフ首相がガラント国防相を更迭したと発表しました。

ネタニヤフ政権が1月に発表した司法改革案は、最高裁がイスラエルの憲法に相当するイスラエル基本法に違反するとの判断を下しても、連立で過半数を維持する政権が議会でその判断を覆すことが可能となるものです。

現地メディアは、収賄などの罪で起訴され、公判中でもあるネタニヤフ氏が自らに有利な判断を下す裁判官を任命する狙いがあるとも指摘していて、抗議デモが拡大しました。

こうしたなかでガラント国防相は25日、混乱の広がりは「イスラエルの安全保障にとって脅威だ」として改革を中止するよう求めていました。

ガラント国防相の更迭をうけ、各地で抗議デモが発生。デモ隊は高速道路を占拠して火を放ち、ネタニヤフ首相の自宅の外に集まって抗議の声をあげ、警察が放水で応じるなど混乱が広がっています。

AP通信は全土で数万人が参加したと伝えていて、収束の見通しはたっていません。