■フィギュアスケート世界選手権 男子シングルフリー(25日・さいたまスーパーアリーナ)
男子シングルはショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(25)がフリーも貫録の演技を披露し、合計301.14点で日本男子史上初となる世界選手権連覇を達成した。前日に坂本花織(22)が日本勢初の大会連覇を果たしており、今大会は男女ともに快挙を成し遂げた。
日本勢は友野一希(24)が6位、山本草太(23)が15位。またSP3位の韓国のチャ・ジュンファン(21)がほぼノーミスの演技を披露し、韓国男子初の表彰台となる銀メダル。SP2位のアメリカのイリア・マリニン(18)は大技のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)をこらえながらも着氷し、他の4回転で回転不足などがあったがフリー188.06点の高得点をマークし銅メダルを獲得した。
SPで今季世界最高の104.63点を叩き出した宇野はこの日最終滑走で演技。冒頭の4回転ループを完璧に決めると、続く4回転サルコウで着氷が乱れるが4回転フリップではGOE(出来栄え点)で4点以上の加点がついた。後半は4回転トウループを降りると、続く4回転トウループからの連続ジャンプは1回転になるが、最後のトリプルアクセルからの連続ジャンプはクリーンに決めた。終盤は情熱的な曲調に合わせたステップとスピンで観客を魅了し、4回転ジャンプ5本をはじめとする難易度の高いプログラムを大きなミスなく滑り切った。
力を出し切った宇野は演技を終えると一度リンクに倒れこむが、立ち上がって笑顔をみせ会場の大歓声に応えた。
昨年の北京五輪で銅メダルを獲得した宇野は、今季GPシリーズはスケートカナダ、NHK杯を制し、GPファイナルも5度目の出場で初の頂点に輝いた。全日本フィギュアも2位以下を大きく引き離し5度目の優勝を決め、昨年の世界選手権から負けなしの6連勝を飾った。
SP7位の友野一希(24)は4回転トウループからのコンビネーションジャンプを決めると、続く4回転トウループで転倒してしまうが、4回転サルコウは着氷。後半は大きなミスなく滑り切り、自己ベストの273.41点をマークし6位。
SP17位の山本草太(23)は冒頭の4回転サルコウで転倒すると、続くジャンプでもバランスを崩し流れを作れず。後半はトリプルアクセルを決めると立て直し、最後の3回転ルッツも着氷した。初めての世界選手権は合計232.39点で15位に入った。
世界選手権の男子シングルは高橋大輔(37)が2010年に日本勢初の優勝を果たすと、羽生結弦(28)が14年、17年と2度制覇。今大会は宇野と坂本がシングルを制し、ペアでは三浦璃来(21)・木原龍一(30)組が金メダルに輝くなど日本勢が大躍進を遂げた。
【男子シングル結果】
優勝 宇野昌磨(日本)301.14点
2位 チャ・ジュンファン(韓国)296.03点
3位 イリア・マリニン(アメリカ)288.44点