定点カメラを設置する伊藤大貴記者。


【編集後記】TUF報道部・伊藤大貴記者
 今回は福島市のJR福島駅前のストリートピアノに一日密着。このピアノはもともと駅構内にあったもので、今回の場所は3カ所目となります。現在、駅前は再開発計画として老舗百貨店が入居していたビルが解体され、新たな施設が建設される予定です。そしてピアノも最終的にその施設周辺に移設することが検討されているといいます。
 過渡期にある街で取材を続ける中で出会った81歳の男性がいました。音楽教師だったといいます。「ピアノが心を潤してくれた。いまの時代の子はコンピューターなどやることがいっぱいあって大変。全然余裕がない」と話してくれました。
 目まぐるしく変化する現代社会と心に余裕が生まれにくいコロナ禍私たちが忘れかけていた大事なことを教えてくれたような気がしました。
 今回この取材を担当した記者は、テレビ局の世界に身を投じ、社会の荒波に揉まれて4年目。気づけば学生の頃を最後にピアノ弾くこともなくなっていました。リビングに寂しそうにたたずむ自宅のピアノに触れてみようと、少し背中を押されたような気持ちで取材を終えました。
 変わりゆく県都とそこを行き交う皆さんの人間模様。これからもありのままの姿を見つめていきます。