WBCの興奮冷めやらぬ中、大分B-リングスが25日から大分県佐伯市でホーム開幕戦を迎えます。「故郷で恩返しをしたい」と今年から加入した内川聖一選手に今の思いを聞きました。
3年目のシーズンに挑む独立リーグ・大分B-リングス。今季から加入した内川聖一選手は、連日WBCの解説でテレビ出演を重ねる中、合間をぬって開幕へ調整を進めてきました。
(渡辺敬太アナ)
「WBCご覧になっていてどうでしたか?」
(内川選手)
「目に見えない部分や世界一になるためにチームがどういうふうに変化していったっていうのを伝えるのが僕の仕事だと思ってました。やっぱり侍ジャパンっていうのは、ペッパーミルがありましたけど、でもペッパーミルっていうのはある程度チームの中を雰囲気を作るためのものであって、本来野球するときの姿ってのは大谷くんの『全員来い!』っていうあの姿勢だと思うんですよ」
「やっぱりパフォーマンスの中でチームの雰囲気ってのを作りながら、最終的にはやっぱり大谷くんみたいな優勝したときにグラブもボールも帽子も放り投げてっていう、あの姿なんじゃないかなってすごく思いましたね」

(渡辺アナ)
「侍ジャパンが戦ってきた末に最後のあの瞬間に、今回のチームが表れていたんですね。内川さんは連日の解説は忙しかったんじゃないですか?」
(内川選手)
「おかげ様ですよ本当に。やっぱり彼らが頑張ってくれたおかげで僕らもWBCという大会に携わらせてもらいましたし、2009年世界一になって、2013年、3連覇目指してやっていく中で、世界一を逃した要因のプレーを僕は知ってるというのもありますし。そこからずっとWBC世界一が取れてない中で言えば彼らがこうやってまた取り返してくれたことが僕にとって本当にうれしかったし感謝しかなかったですね」
自身も2009年、2013年、2017年と3大会出場。WBCを見届けた内川選手の次は独立リーグでのシーズンです。
(渡辺アナ)
「調整はいかがですか?」
(内川選手)
「もちろんNPB時代と比べるとも練習量は減ってますし、時間の制約があったり場所の制約があったりしてます。ただやってみるとちょっと足りないぐらいが人間いいんじゃないかなと思うようになりました。今まではここに行けば練習できる、ここにいけば食事ができるってある程度球団が準備してくれた中で活動させてもらってましたけど、Bリングスの場合はなかなかそうはいかない」
「自分で都内であったり、大分であったりいろんなとこで練習場所を探しながら『よし、この時間ちょっと空くから練習しよう』というのを自分で探して自分で求めに行くっていうのはすごく僕にとっても楽しい作業です。当たり前に全てが整った中でやるよりも、そこから離れたときにやっぱちょっと違う足りないことがあるのも素晴らしいなと思いました」

環境の変化を楽しみながら独立リーガーとして地元でプレーを続ける稀代のバットマン。チームに加わり1か月あまりで、すでに若い選手の輪に溶け込んでいます。
(内川選手)
「侍ジャパンでいうダルビッシュ投手のような、みんなで一緒の雰囲気をつくるというのを僕自身がやっていかないとと思ってキャンプもやってきました。彼らも友達くらいの感覚で見てると思います(笑)。すごくいい関係性でやらせてもらってるなと思いますね」
チームのほとんどが20歳前後の若い選手ですが、チームメイトたちは臆することなく和気あいあいとメニューに取り組んでいます。そんな若武者たちも憧れのNPBの舞台で20年以上活躍した名選手を間近に、多くの刺激をもらっています。
(背番号3・羽立和輝選手)
「もちろんこっちからも教えてって行くんですけど、顔色一つ変えず優しい顔して教えてくれる。今まであんな先輩会ったことないです、あんなに良い先輩。これ放送されるのちょっと悔しいですけどね、褒めすぎてて」

先輩として、仲間として慕われる内川選手。WBCの期間中ながら先週のビジター開幕戦に3番・DHでスタメン出場すると決勝3ランを放つなど5打数2安打4打点の活躍を見せました。

(内川選手)
「もうすごかったですね、僕もびっくりしましたけど。1日1時間とか切り詰められた中で練習しかできてなかったので逆に迷惑かけるかなと思ったんですけど。やっぱりチームの一員として、せっかくシーズン開幕するっていうところで行かないっていうのはちょっと僕の中で自分に許せない部分がありました」
(渡辺アナ)
「どうでした打った瞬間は?」
(内川選手)
「久しぶりに気持ち良かったですね、こんなに打てるんだなと思って。楽しかったです」

きょうの練習でも率先してノッカーを務めたり、バッティングでは3本のさく越えを見せたりと、プレーで、姿勢でチームをけん引します。去年12月の入団会見では、「大分の皆さんに元気にプレーする姿をみせることで恩返ししたい」と語っていた内川選手。ついに故郷・大分の球団でのプレーが25日に迫り、胸が高鳴っています。
(内川選手)
「やっと大分で試合できるなというのが正直な気持ちですね。オープン戦はやりましたけど、また公式戦と雰囲気も違いますし、選手たちの目の色も変わってます。
もちろん結果出してさすがだなって思ってもらえるのが一番いいんですけど、こればっかりは結果が出たり出なかったりを繰り返しながらやるのが1年間やることの意味だと思ってます。結果が出ずとも、見ている方に一生懸命やってるなあと伝わるようなプレーはしたいと思います」
「ホーム開幕ということで、大分のファンの皆さんがたくさん足を運んでくれると選手もやる気になると思います。開幕、熊本で2連勝して帰ってきますので、ファンの皆さんにいいものをお見せできると思います。ぜひ足を運んでもらいたいなと思いますし、せっかくコロナも落ち着いてきて声出し応援もできるので、しらしんけん声だして応援してくれると嬉しいなと思います」
大分B-リングスのホーム開幕カードは、3月25日から3日間、佐伯中央病院スタジアムに福岡ソフトバンクホークス4軍を迎えます。