「やることもやらないで『やめておこう』では成長はない」

4月17日。世界陸上代表選考会前、最後のレース(日本学生陸上競技個人選手権)に挑んだ不破選手。

しかし、まさかの事態が・・・

世界陸上代表選考会まで1か月を切る中、腰や右アキレス腱周辺の痛みで約2か月間、万全な練習が出来ていませんでした。

それでも大一番を前に実戦の雰囲気を感じたい不破選手が出場を申し出ると、五十嵐監督はある約束を条件に、受け入れました。

五十嵐監督:
まず、出ようと決めたのは、大会の1週間前。その1週間の中で、痛みが出ない事。それを守れるならいきた練習になるから出場してみよう。

拓殖大・五十嵐監督

五十嵐監督:
小出監督が言っていたことで「練習ってその子にあった練習を探らなきゃダメなんだ」って。100%やれることを努力させてダメだったら納得できるけど、やることもやらないで「やめとこう」じゃあの子の成長はないと思うんですよ。
だからこそこの前の練習で走らせたし最後の最後まであきらめずにやるってのはそこにあるんですよ。

小出監督から継承した選手を信じる選択。女子5000mの結果は12位(17分30秒45)と最下位でしたが、不破選手は確かな手応えをつかんだようです。

不破選手:
日本選手権(5月7日、3位以内に入れば世界陸上代表内定)まであまり期間がなくて、思いきり動かすことが怖いところもあったんですけど、走っている時はそういうのを一切気にしないで走ることができて、吹っ切れたかなというふうに感じたので収穫はありました。

信頼できる監督と二人三脚。2人が描く未来予想図は?

不破選手:
次の2024年パリ五輪はまずトラック種目で出場したいっていうのがあるんですけど、その次の28年ロサンゼルス五輪からはマラソンとかにもチャレンジして、金メダルっていうのは目標なので、監督と自分を信じて一日一日頑張っていきたいと思っています。

五十嵐監督:
これも小出監督からよく言われていたんですけど、「本当に好きな気持ち持って、一生懸命やると、お天道様が良い選手に巡り合わせてくれるんだ」って。「俺は50年間こんな馬鹿なことやったから、『もう小出、そろそろQちゃんと巡り会わせてあげるよ』って言って、巡り合わせてくれたんだ」っていうのをずっと言ってたんですよ。小出監督が「お前も絶対いつか良い選手に巡り会えるから」って、ずっと言ってくれて。
長期的なプランからすれば、ロスの五輪でマラソンで金メダルを取るっていうことを1番の目標としてやっているんですけど、当然2028年に向けて、これからずっとやるべきことがあって、そのためにも24年のパリ、世界陸上や大学の駅伝、インカレであったりっていうのがあるんですけど、最終的にオリンピックで金メダルを取るためにいろんな部分で、彼女のステップになっていけるような大会にしてもらえたらいいなと。私も全力でサポートをしなきゃいけないと思っているんですよね。