死者、行方不明者63人を出した2014年9月の御嶽山噴火災害。
犠牲者を悼みながら遺族に寄り添ってきた女性が長野県王滝村にいます。


王滝村に暮らす佐口幸子(さぐち・さちこ)さん。
88才となった今も、畑仕事に精が出ます。

「高齢者がどんどん逝ってしまって王滝も人口が減っちゃって今、サルの方が人口多いよ」
収穫した特産の赤かぶは酢漬けに。

そしてカブ菜は、木曽地方伝統のすんき漬けに使います。

前の年のカブ菜を種(たね)にさっと湯通しして漬け込んでいきます。
塩を使わず、乳酸発酵させる独自の食文化を守り続けてきました。

19年前に夫を亡くしてからは、1人暮らし。ですが、寂しくはありません。
畑仕事が終われば、お茶のみ仲間のもとへ。
佐口さんにとって、村人の多くが家族のような存在。
遠慮はまったくなしです。

村にある食堂も佐口さんの行きつけの場所。
5年前に移住した店主の石黒力也(いしぐろ・りきや)さん。
佐口さんとの出会いは、なんとも衝撃的なものでした。


(石黒さん)「とりあえず寄っていけって話になって、お茶していけって家に行ったらご飯が出てきて」「王滝ではね『村のレジェンド』って言われてますので」
村に生きて88年、
佐口さんには、忘れられない出来事があります。
死者・行方不明者63人を出した御嶽山の噴火災害です。














