◇◇不足する「放流能力」と進む改修
(肱川ダム統合管理事務所・松坂 幸二副所長)
「今の施設では、放流能力が不足しているので、その不足分に対応するために、改造事業に取り組んでいる」

「野村ダム」と「鹿野川ダム」では、大雨への対応能力向上を目的とした改修が進められています。

既に設置されているゲートよりも、さらに低い位置に放流口を設けるもので、ダムの水位を、これまでよりも大きく下げる事ができるようになります。

「鹿野川ダム」では、既に運用が始まっていて、国は、この改修により、大雨が降った場合に貯めることのできる水の量が、およそ1. 4倍まで増えたと説明しています。


(肱川ダム統合管理事務所・松坂 幸二副所長)
「せっかく下げた水位を、そのままキープすることができないので、対応するために新たな施設が必要になる」

◇◇避けられない緊急放流
一方、運用方法の見直しにより、はん濫の危険性は減ったものの、大規模な改修工事を施さなければ、西日本豪雨と同じ規模の大雨が降った場合には、やはり「緊急放流」が避けられないと言います。

(肱川ダム統合管理事務所・松坂 幸二副所長)
「最終的に緊急放流は避けられないが、平成30年7月豪雨と同規模であれば、その当時1700トンの流下量だったものを、そこまでいかない量に抑えることが可能になる」
さらに肱川の支流には、新たなダムの建設も進められています。

(肱川ダム統合管理事務所・松坂 幸二副所長)
「山鳥坂ダムも含めて、肱川全体の治水安全度の向上に寄与できると考える」
西予市から大洲市を、回り込むようにゆるやかに流れる肱川。
流域に完成したダムは、幾度となく水害に見舞われ続けてきた歴史に、終止符を打ったかに見えました。


