長年、えん罪の可能性が指摘されてきた袴田事件で、東京高裁は、死刑が確定していた裁判のやり直し=再審の判断を下しました。開かずの扉とも言われる「再審」。その極めてハードルの高い裁判所の判断を引き出した弁護側の実証実験とは?さらに今回、袴田さんを有罪としていた「証拠」は捜査機関がねつ造した可能性が「極めて高い」とされた理由とは?手作り解説でお伝えします。
「袴田事件」とは・・・

1966年6月に起きた袴田事件。当時の静岡県清水市で、みそ製造会社の専務の自宅がほぼ全焼する火事があり、焼け跡から専務と家族、4人のめった刺しにされた遺体が見つかったのです。
約2か月後に強盗殺人などの容疑で逮捕されたのが、従業員で元プロボクサーの袴田巌さん(当時30)でした。裁判では一貫して無罪を主張していましたが、1980年に死刑が確定していました。
“証拠”は捜査機関のねつ造か

ところが13日、東京高裁は、捜査機関による証拠ねつ造の可能性が「極めて高い」との見解を発表し、死刑が確定した裁判のやり直し=「再審」への道が開かれたのです。いったい何がねつ造とされたのでしょうか…
疑惑の証拠「5点の衣類」

袴田さんを犯人だとするうえで、ほぼ唯一の証拠となっていたのは、血の付いた「衣類」。事件から1年2か月後に、近くの工場にある、みそタンクの中から見つかったもので、これまで犯行時に袴田さんが着ていたものだとされてきました。














