今年1月、女子バレーボールの全日本高校選手権=通称・春高バレーで、3連覇を期待されながらも、新型コロナによって不戦敗となった就実高校です。

3月12日、卒業した選手らチーム全員が、神戸市のスタジアムに集まりました。最後の舞台を失ったはずの選手たちに贈られたのは、昨夏のインターハイ王者との「特別試合」。

多くの人の支えで、再びコートに立った選手たちの思いに迫りました。

「2か月遅れ」の最後の舞台 笑顔があふれた理由 

会場を埋め尽くす観客と、割れんばかりの声援。コートであふれる笑顔を見せるのは、就実高校・女子バレーボール部の選手たちです。

公式記録には残らない、エキシビションマッチです。それでも、最後まで彼女たちはひたむきでした。

3連覇を目指していた春高バレー「棄権と言われて頭が真っ白に」

「なんで一個ずつしっかりやらんの。やらんと負けるで」

試合の1週間前。母校でこれまでの悔しさをぶつけるかのように練習に打ち込む卒業生の姿がありました。

(就実高校卒業生 岩本沙希さん(元主将))
「最初『棄権』って言われた時は、なにが起こったのか分からなくて、頭が真っ白になったのは覚えているんですけど…。その最後の力を出す場が奪われてしまって」

(就実高校卒業生 高濱日菜穂さん)
「涙しか出てこなくて、やはり『今までやってきたことがコートに出せない』って事が悔しかった」