ウクライナ南東部マリウポリにある製鉄所への攻撃を再開したロシア軍。攻勢を強める東部に加え、西部リビウの変電所へも攻撃を行うなど、各地で戦闘を激化させています。
「近づかないで!」
これは、ポーランドの国境に近いウクライナ西部リビウの映像。3日夜、ロシア軍によるものとみられる変電所への攻撃で火災が起き、ロイター通信は周辺地区の電気と水道の供給網が損壊したと伝えました。
この日、ロシア軍は東部ドネツク州にある工場にも攻撃し、市民21人が死亡。ドネツク州の1日の死者数としては、4月に鉄道駅にミサイルが撃ち込まれ、およそ60人が死亡して以来、最も多いと州知事は強調しています。
一方、南部ザポリージャでは。
製鉄所から避難の人
「製鉄所ではみんな頑張っていたわ」
ロシア軍に包囲されたアゾフスタリ製鉄所から避難したおよそ100人の市民らが、相次いで到着しています。避難した人たちは親族らとの再会を喜びつつ、太陽の光が届かない製鉄所の地下での、2か月にわたる暮らしについて報道陣に話しました。
製鉄所から避難した人
「製鉄所で生きていたわけではなく、ただそこにいただけという感じでした。私はベンチの上で寝て、コンクリートの床の上で寝ていた大人や、子どももいました」
この女性は、ロシア軍兵士が避難を認めるかどうか“選別”を行っていたことに触れ、当時の状況を話しました。
製鉄所から避難した人
「テントに入り、服を脱がされ、書類をチェックされます。別のテントに入り、携帯電話を見られ、全ての通信履歴を見られます」
女性は質問もされ、その間、「ロシア軍兵士は“全てうまくいった。マリウポリは再建される”と言い続けていた」と話しました。
ゼレンスキー大統領
「いまロシア軍は合意を守らず、製鉄所へ大規模攻撃を行っている」
当初、製鉄所周辺の停戦は2日間続く予定でしたが、この“第1陣”が避難したあと、ロシア軍が製鉄所への攻撃を再開し、製鉄所にはいまも数百人の市民が取り残されているとみられています。
こうしたなか、ロシアのプーチン大統領が3日、フランスのマクロン大統領と電話会談しました。ロシア大統領府によると、プーチン氏はマクロン氏に「国家主義者によって製鉄所に留め置かれている市民の避難」について進捗状況を説明したということです。
また、ウクライナ軍が東部で残虐行為を行っているとし、これを終わらせるためには西側諸国がウクライナへの兵器の供給を停止する必要があると強調。電話会談ではロシアと西側諸国の認識の違いが改めて浮き彫りになりました。
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