新しい喫茶店が増え続ける中、今では少なくなった純喫茶。歴史や店主の思いに迫りました。
熊本市北区武蔵ヶ丘。JR光の森駅から車で5分ほどの場所にある水色の看板が目印の喫茶店。
創業43年の「まざあぐーす」です。

中に入るとテーブル席が4つとカウンター席。そして…

田名網駿一アナウンサー「気になったのは大きなスピーカー、私はライブやフェスとかでしか見たことないような大きさだと思ったのですが…」
まざあぐーす 店主 古川智春さん「お客さんからの要望や(自分が)仕事が終わって聴くために大きいスピーカーを置いています」
そう話す店主の古川さんは大のジャズ好き。店内のいたるところに関連グッズが並び、音楽好きにはたまらない空間です。

そんな空間でいただくのが、その名も「マスターのコーヒー」

田名網アナウンサー「スッキリしたコーヒーですね。でもちょっと酸味・苦味をほのかに感じるというか、飲みやすいコーヒーです」
自慢のコーヒーは中煎り。そのときに一番いいと思った産地のコーヒー豆を使っています。
気さくなマスターが迎える老舗の純喫茶。現代では数少ない貴重な空間ですが、普段はどんなお客がやってくるのでしょうか。
古川さん「平日の昼はご年配の女性が多いです。土曜日曜は若い男性・女性がほとんどです」
田名網アナウンサー「けっこう若い方もいらっしゃるんですね」
店を始める前は旅行会社に勤めていた古川さん「いつかは喫茶店を始めたい」と、出張した先々で喫茶店に立ち寄っては店づくりを観察していたそう。

古川さん「その時にジャズブームだったんですね。ジャズとか聴いたことなかったんですが、ものすごくジャズがよかった。それで自分の趣味を生かしながら始めた感じです」
そして、25歳のときに開店。その2年後に誕生させたのが、40年以上前から変わらない味の看板メニュー「ドライカレー」です。

フレンチレストランで働いていた古川さんの弟がケチャップを多めに入れ過ぎてしまったのに美味しかったことから採用した一品。水は一切使っていません。

田名網アナウンサー「カレーの豊かな風味が広がって甘いけど、どんどん口の中が辛くなっていくという不思議な時間差で味が変わるというのがおもしろいですね」
このドライカレーはお持ち帰りも可能。あまりの美味しさに鶴屋百貨店などでも販売しているそうです。
田名網アナウンサー「カフェとか喫茶店はたくさんありますけど、その中でもこういった純喫茶っていうのは貴重だなって思います」