中国経済が直面する2つの課題

小川彩佳キャスター:
北京支局の立山支局長に聞きます。中国の最大の課題が中国経済の回復だということですが、実際のところはどうなのでしょうか?

北京支局 立山芽以子支局長:
中国経済は今、二つの課題に直面しています。一つは、ゼロコロナ政策で傷ついた経済をどのように立て直すのか。もう一つは、アメリカとの対立です。

中国政府は消費を回復させることで内需を拡大し、経済を立て直したいとしています。しかし、ゼロコロナ政策の影響で仕事を失ったり、収入が減った人が多いことから、消費よりも貯蓄と考える人が多く、一気に消費が拡大するという兆しは出てきていません。

さらに、ゼロコロナ政策を支えたPCR検査代などは地方財政の大きな負担となり、一部の自治体では給与が払えないなどの事態が起きていることもまた景気回復の足を引っ張っていると指摘されています。

もう一つは、アメリカとの対立です。アメリカが半導体の輸出規制など、デカップリングを進めていることに中国は危機感を抱いています。そのため自立自強、つまり外国に頼らず、自分たちだけで全てを完結できるような技術力を高めようと号令をかけているのですが、まだそのレベルが達しておらず、アメリカとの対立もまた経済回復の足かせになるのではと言われています。