訃報です。
愛媛県内子町出身のノーベル賞作家・大江健三郎さんが、今月3日に老衰のため亡くなっていたことが分かりました。88歳でした。

大江健三郎さんは1935年、旧大瀬村=現在の内子町で生まれ、松山東高校を卒業後、東京大学在学中に「奇妙な仕事」で作家デビュー。

23歳の時に「飼育」で芥川賞を受賞しました。

大江さんは、ノーベル賞候補として注目されていた1992年、ふるさとを訪れ、こう語っていました。

大江健三郎氏(当時57歳)
「私は日本語の小説家がノーベル賞を受けて、そして日本語の文学がそれを契機にしてどんどん翻訳されて読まれることが一番望ましいと思っているわけです。しかしあのー…私自身が(ノーベル)賞をもらうだろうかというと、私はもらわないと思います(笑)」

大江さんは1994年、川端康成さんに次いで日本人2人目となるノーベル文学賞を受賞しました。

大江健三郎氏(当時59歳)
「日本人としては原爆の問題を将来の問題として人間の文明の問題、文化の問題として捉え直していくということが常に必要だと思っています。それが僕の仕事です。仕事の一面です」

核兵器や平和の問題に向き合うなど、言論活動でも注目を浴びた大江さん。

講談社によりますと、今月3日に老衰のため亡くなりました。

大江さんの生家がある愛媛県内子町・大瀬地区では…

大瀬地区の住民
「大江さんは大瀬の宝。『ありがとうございました』と言葉をかけたい」

また、大江さんの母校・松山東高校では…

松山東高校2年・野本帆希さん
「偉大な先輩を私たちも目指して、超えられるようにこれからもいろんなことに向上心を持って学習に励みたい」

葬儀は親族のみですでに行われていて、後日、お別れの会が開かれる予定だということです。