「全然船が走らない」
高橋頼夫さん:
「来たときは、このくらい潮が引いていたんだよね」

沖へと急ぐ高橋さんの船は、引き波に引っ張られ、想像を上回る速さで進んでいきました。しかし。
高橋頼夫さん:
「津波第一波が来たんでしょうね、引いてから第一波が。大した波じゃないんでしょうけど、全然船が走らないんですよ」

そのときの速度はわずか2.5ノット(=5km)迫りくる津波に押された船は、早歩き程度の速さでしか進んでいませんでした。
押し波と引き波を繰り返しながら航路をようやく抜けようとした時、巨大な波が志津川の海を襲いました。