愛媛県今治市の工事現場から、16世紀の年号が書かれた木の札が出土しました。愛媛県内では、これまで見つかっていなかった札の可能性があります。

公開された木の札は、愛媛県今治市別名で進められている国道の工事現場から去年11月に出土しました。

赤外線カメラを使った分析などから、木の札には、経典「大般若経六百巻」を贈ると書かれた下に、今から470年以上前の年号が記されていることが分かりました。

同様の木の札は、県内でこれまでに5例、建物に取り付けるタイプのものが見つかっていますが、今回出土した木の札は、それらと比べて小ぶりで、県埋蔵文化財センターは、経典を納める容器「経櫃」に取り付けられていた札の可能性があると話しています。

「経櫃」に取り付けられた札であれば、県内で初めての発見となります。

別名地区には、この一帯を治めていた大山祇神社の宮司・大祝氏の邸宅が存在したという伝承が残っています。
今回の調査では、木の札のほかに、中国陶磁器なども出土していて、有力者の居住が推測できるということです。

郷土史を研究する伊予史談会の山内譲会長は、「年代が明記されている札が見つかることは珍しい」と話しています。