イギリス・ロンドンで話題になっているアーティストがいます。粗大ごみ用のごみ箱を改造した家に住んでいるというのですが、そこにはある狙いがありました。
イギリス・ロンドン。街を歩くと、「スキップ」と呼ばれる大きなごみ箱をよく見かけます。通常は粗大ごみの一時的な保管に使われますが、こちらの空き地では…
記者
「この黄色い箱、粗大ごみを回収するためのごみ箱なんですが、それを改造して家にしてしまったんです」
「スキップ」を家にしたのは、建築デザイナーのハリソン・マーシャルさん(28)です。中に入ってみると…
ハリソン・マーシャルさん
「ここが主な生活空間です」
キッチンには冷蔵庫やIHコンロがあり、お湯を沸かして紅茶を飲むこともできます。
ハリソン・マーシャルさん
「夕食をとる時などは、ここに座って食べます。悪くないでしょ?」
梯子を上ると、そこはベッドルーム。身長190センチのマーシャルさんも広々と過ごすことができます。
ハリソン・マーシャルさん
「こぢんまりして居心地がいいよ」
土地は慈善団体から無償で借りていて、仮設トイレはあるもののシャワーはなく、職場やジムのものを利用しているそうです。
マーシャルさんがここに住み始めたのは海外での勤務を終えた今年1月。以前は、日本円で月10万円ほどの家賃でシェアハウスに暮らしていましたが、現在はスキップのレンタル代およそ8000円のみです。
なぜ、スキップハウスに住むことにしたのでしょうか?
ハリソン・マーシャルさん
「家賃が去年からかなり上がっていました。仮に希望する価格帯のものが見つかっても5分でなくなります」
物価高が続くイギリスでは家賃も高騰。ある不動産会社の調査によると、ロンドンでは去年1年間でおよそ16%値上がりし、家賃の平均は32万円を超えています。
マーシャルさんはスキップハウスに住むことで、人々にロンドンの“異常な家賃”について考えるきっかけにしてほしいと話します。
ハリソン・マーシャルさん
「既成概念にとらわれず、もっと他の方法はないか。創造的な解決策を考えるきっかけになればと思います」
近所の人たちは…
近所に住む人
「今の時代を象徴していると思う。多くの人たちが大変な経験をしているから余裕がないんだよ」
「かわいいし、くつろげそうですよね。でも仮設トイレだったので…、住むのは遠慮しておきます」
マーシャルさんはまずは1年間住んでから、スキップごと“引っ越し”することも含め、今後について考えていきたいとしています。
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