イギリス政府はフランスとの間の海峡をボートで渡り不法入国する移民が急増しているとして、こうした不法移民を拘束し国外追放とすることを柱とした新たな法案を、7日に発表しました。

法案では、フランスとの間のドーバー海峡をボートで渡るなどして不法に入国する移民は、直ちに拘束し国外追放とするほか、再入国を禁じ、将来の難民申請も認めないという厳しい内容となっています。

イギリス政府は、ドーバー海峡を渡ってきた不法入国者が去年4万5000人以上に急増し、受け入れ施設にかかる費用が財政を圧迫しているとしています。

スナク首相は「誰が入国するかを決めるのはこの国であり、あなた方の政府だ。犯罪組織ではない。ボートを止めなければ本当の難民を救えなくなる」と強調しました。

この法案についてUNHCR=国連難民高等弁務官事務所は「個々の状況を考慮せずに難民申請をする権利を失わせるものだ」として、深い懸念を示す声明を発表するなど、人道上問題との批判も強まっています。