勿論このコントラクターの仕組みには、酪農家だけでなく米農家にとってもメリットがあります。

主食用米よりも収穫時期が“早い”飼料用米やトウモロコシの生産を担うことで、作業の“負担集中を防げる”というのです。

【アシスト二十一 木村清隆代表取締役】
「作期を分散する。それぞれを一番いい時に収穫するというやり方をすれば、経営面積の拡大にも対応できる」

70haほどの農地をもつ農業生産法人『アシスト二十一』の木村清隆さん(42歳)が、そう説明してくれました。

化学肥料が高騰する世界的な傾向の中で、自身の地域内で良質な有機肥料も確保できるコントラクターの仕組みは、農家側にとっても大変魅力的です。

【アシスト二十一 木村清隆代表取締役】
「たい肥を入れることで農地の持つ“力の増加”を図って、化学肥料の使用を極力抑えた作物を作れるのでコストダウンにもなる」

『新発田コントラクター』では今年、稲とトウモロコシと合わせておよそ350tの生産を目指しており、酪農家の尾田さんは、このうちの半分を自身の牧場で使用する予定です。年間に消費する牧草の半分がまかなえるそうです。

【尾田牧場 尾田拓志さん】
「どちらかだけが得をするのではなく、お互いにフォローし合いながら、土地を有効利用してその先がまた見えてきて、次の世代に残していけるような組織にしていきたい」

資源を地域で循環させて安定した経営を築こうとする『コントラクター』の取り組みが、新潟県内に一層広がっていくことが期待されます。