長崎県の諫早湾干拓事業をめぐり排水門を開けない判決が3月1日に確定しました。これを受けて、開門を求める漁業者の弁護団は、農林水産省に救済措置などを求める要請書を提出しました。


◆有明海の養殖ノリが大不作に

弁護団事務局長 堀良一弁護士「(漁業者への)緊急救済、ぜひ実現してもらいたい。根本的な解決をすべきであるということで、やはり開門は避けて通ることはできない」

農林水産省を訪れたのは、国に排水門の開門を求めていた佐賀県の漁業者とその弁護団です。要請書では、今シーズンの有明海の養殖ノリについて、赤潮による色落ちや暴風による被害で、生産される枚数が前の年の5割から6割以下にとどまり、被害が2000年度の大不作を上回る可能性がある、と指摘。国に対して漁業者への損失補填などの「緊急救済」を求めています。
要請を受けて野中副大臣は、「意見交換をして、有明海の再生に向けてともに歩んでいきたい」と述べました。


◆現地から切実な訴え

漁業者 平方宣清さん「今の有明海の現状を訴えました。豊かな地域を作る、そこに住む生活をしている人たちが豊かな生活をできるのが、本当の公共事業」

弁護団は、赤潮が発生する根本的な要因について、「諫早湾の堤防閉め切りにある」としていて、原因究明のため、中長期的な開門調査を求めています。