ウクライナ東部や南部でロシア側による攻撃が続くなか、ゼレンスキー大統領は国際刑事裁判所の検察トップと会談し、「ロシアは裁判で罰せられなければならない」と訴えました。

ウクライナ兵
「2月28日、バフムトです。街は燃え、敵は前進しています。…ウクライナは生きます」

ウクライナ兵が東部ドネツク州の要衝バフムトで撮影したとする映像では、後方で黒煙が上っているほか、発砲音が複数回鳴り響いています。バフムト周辺では激しい戦闘が続いていて、ゼレンスキー大統領は状況は難しくなっていると明らかにしています。

一方、南部ヘルソン州では、ロシア軍による砲撃で市民4人が死亡したと知事が発表しました。

こうしたなか、ゼレンスキー大統領は首都キーウで、ICC=国際刑事裁判所のカーン主任検察官らと会談。ゼレンスキー氏は、「ロシアが犯した凶悪な犯罪は、裁判で罰せられなければならない」「将来、繰り返されないように」と強調、調査のためICCの事務所をウクライナ国内に開設するよう求めました。

また、東部などロシア軍に占領されている地域での民間人の死傷者数が把握出来ないとし、「間違いなくウクライナの人々に対するジェノサイドが行われているが、それが認定されるためには、すべての人々の運命を知らなければならない」と調査の必要性を訴えています。

一方、ICCは、セレンスキー氏の法的で正当な手段による訴えに謝意を示しました。カーン主任検察官は「法の支配がなければ、大量の武器を持った人々が社会を支配することになる」と述べ、調査に協力する姿勢を強調しています。