381系電車は、伯備線の電化に伴い、それまでのディーゼル特急に代わって1982年7月に走り出しました。
車体を内側に傾けることで、より高速でカーブを走れる振り子式と呼ばれる技術を採用。さらに、クーラーを床下に吊るして重心を下げるなどしています。

こうした技術もあって、ディーゼル特急が3時間近くかかった米子・岡山間を2時間余りとおよそ30分短縮し、山陰と山陽を結ぶメイン列車の地位を磐石にしました。

ただ、当時の振り子式では、左右のカーブが連続する場面などで車体の傾きに遅れが生じ、車酔いする原因とされました。

そんな山陰の鉄道に新風を吹き込んだ381系やくものラストイヤー。JRは、利用促進につなげようとしています。

JR西日本山陰営業部 足立智 副室長
「山陰外から沢山のお客様に来て頂きたいと思っておりますので、このやくもを使った宿泊キャンペーンであるとか、そういったことで観光全体を盛り上げていきたいなと。」

JRでは山陰への誘客を図ろうと、大阪からの宿泊ツアーを開催。参加者特典は、381系国鉄色編成のヘッドマークを次々に切り替える「幕回し」です。
LED化などで最近の車両では珍しい仕掛けでもあり、参加者たちがそれぞれの地元を走っていた特急のヘッドマークを懐かしむ人気のアトラクションになっているとのこと。

JR西日本山陰営業部 足立智 副室長
「当時を知ってる方には懐かしい旅というのをして頂いて、また若い方、当時を知らない方にとっては、また新たなやくもの魅力というのに感じて頂ければなと。」

また記念のチケットなどを販売し、即日完売になるものも。
さらに、クリアファイルやシールなどグッズ類も数多く作られています。