ロシアによるウクライナ侵攻で世界が緊張状態にある中、5月3日、日本では憲法記念日を迎えます。

■日本をとりまく周辺各国の脅威

大陸間大陸間弾道ミサイル 火星17型


平壌の夜空を舞う、パラシュート部隊…。ライトで装飾された戦闘機による航空ショー…。

4月25日夜、北朝鮮は「朝鮮人民革命軍・創設90年」を記念した大規模な軍事パレードを実施しました。

極超音速ミサイル「火星8型」をはじめ、3月に発射実験を行ったとされる大陸間弾道ミサイル「火星17型」などが登場し、軍事力を誇示したのです。

金正恩総書記


そして「元帥服」と呼ばれる白い軍服姿で登場した金正恩総書記は…

北朝鮮・金正恩総書記
「我々の核は、戦争防止という1つの使命だけに縛られない。我が国の根本利益を奪おうとするならば、核戦力は第2の使命を決行せざるをえない」

核兵器を抑止力にとどめず、実戦で使用する構えを見せたのです。さらに、必要ならば先制攻撃すら行う姿勢も示しています。

海洋進出を強める中国


そして日本を取り巻く周辺各国の脅威は、北朝鮮だけではありません。

隣国・中国は、依然として海軍の艦艇による日本領海への侵入を行うなど、海洋進出を強めています。

そして、やはり隣国であるロシア。4月27日、プーチン大統領は…

ロシア・プーチン大統領
「我々にとって受け入れがたい戦略的脅威を作り出すなら、反撃は“電光石火”で行われると認識すべきだ」

ウクライナ情勢を巡り、核兵器使用も辞さないことを改めて示唆したと受け止められています。

さらにロシアは、非友好国に指定する日本に対しても、4月、日本海で最新型潜水艦2隻によるミサイル発射演習を実施するなど、牽制を強めています。

■自民党が政府の安全保障政策へ提言

自民党安全保障調査会(総理官邸 4月27日)


こうした周辺諸国との緊張を受けて、水曜日、自民党の安全保障調査会は岸田総理に提言書を提出しました。

岸田総理
「喫緊の課題であると、しっかり受け止め、議論を進めていきたい」

今年の年末、9年ぶりに改定する安全保障政策の長期指針、「国家安全保障戦略」などへの提言を行ったのです。

その中身は、GDP比1%前後で推移してきた日本の防衛費を2%以上を念頭に増額し、それを5年以内に達成することを目指すとしています。

自民党・茂木幹事長
「5年以内に対GDP比2%も念頭に、防衛力を抜本的に強化できる予算水準の達成を目指したいと思います」