相手のミサイル基地などを叩く「反撃能力」保有に向け、岸田総理はアメリカの巡航ミサイル「トマホーク」を400発購入する方針を示しました。一方、野党側は「反撃能力」行使の具体的なケースを示すよう求めていますが、岸田総理は応じませんでした。
トマホーク400発購入へ 総理は反撃能力への“具体例”示さず

2018年にアメリカ軍が実戦で使った、巡航ミサイル「トマホーク」。
標的はシリアにある化学兵器関連施設だとしました。トマホークは射程1200㎞を超え、目標をピンポイントで攻撃できます。
27日、衆院予算委で岸田総理は…
岸田総理「トマホークの取得数、400発を予定している」

2023年度予算に約2100億円を計上し、アメリカからトマホーク400発を購入する予定だと明らかにしました。単純計算すると、1発5億円強です。

想定されているのが「反撃能力」での活用。
これまでの専守防衛では、日本に飛んできた相手のミサイルを打ち落とす=迎撃することは可能でした。しかし、今後は相手のミサイル発射拠点を直接攻撃できるようになったのです。

トマホークの納入予定は2026年度。国産の長距離ミサイル2種類も2026年度に配備される予定で、3つのミサイルが一気にそろうことになります。
立憲民主党 後藤祐一 衆院議員
「総理、全部買うのは買いすぎじゃないですか。少し節約して防衛増税を何とか妨げようとしませんか」
岸田総理
「国民の命や暮らしを守るために、どれだけのミサイルが必要なのか。それを考えた場合に、国産誘導弾の取得数量の不足等を補うためにも、トマホークを取得する必要がある」
立憲民主党は、これまでどんな場合に「反撃能力」を使うのか、具体例を示すように岸田総理に求めてきました。しかし…
岸田総理
「手の内を明らかにすることになるわけですから、細かい具体的な説明までは行うことを控えなければならない」

焦点は日本に駐留するアメリカ軍が攻撃された場合、「反撃能力」を行使できるのか、どうかです。
立憲民主党 後藤祐一 衆院議員
「答えていただかないと、それこそ『防衛3文書』を勝手に閣議決定して、国会に対して何説明してるんですか。これぐらいちゃんと説明してください」
岸田総理
「武力の行使の3要件に基づき、弾道ミサイル等による攻撃を防ぐために、他に手段がなく、やむを得ない必要最小限度の措置として、いかなる措置をとるかという観点から個別具体的に判断をいたします」
結局、岸田総理は「個別に判断する」としか答えませんでした。