先月、中村知事と経済界のトップが現地に足を運ぶなど、インドネシアとの経済交流を進めている愛媛県。
今度はインドネシアの副大臣らが来県しました。
最初に訪れた意外な場所とは?

25日に来県した、インドネシアのアルー・ドホン環境・林業副大臣ら視察団の一行。
まず訪れたのは、休日でにぎわうとべ動物園でした。

案内されたのは、オスのボルネオオランウータン「ハヤト」12歳。
母親がインドネシア出身で、2018年に北海道の円山動物園からとべ動物園へとやってきました。

人間に近い仕草や表情、つぶらな瞳が人気で、とべ動物園の呼び物の1つとなっています。

(通訳)
「どうして毛布をずっとかぶっているんですか?」
(飼育員)
「オランウータンはかぶるのが好きなので」
(園長)
「日本のみなさんがハヤトに毛布を贈ってくれる」
(インドネシア環境・林業省アルー・ドホン副大臣)
「ハヤトのファンクラブがあるんですね」

熱帯の森が失われ、絶滅が危惧されているボルネオオランウータン。
国内の動物園からも姿を消しつつあります。

しかし、とべ動物園には繁殖の適齢期にあたるメスがいないため、県は動物園同士で貸し借りを行う「ブリーディングローン」の制度を使い、繁殖相手をインドネシアから受け入れる計画でした。

しかし希少動物の保護をめぐる問題などから見通しが立っておらず、先月、中村知事がインドネシアを訪れた際、政府の担当者に早期の受け入れを要望していました。

(インドネシア環境・林業省アルー・ドホン副大臣)
「先日、中村知事からハヤトの“お嫁さん”をお願いしたいと依頼があった」

中村知事からのリクエストを受け、さっそくハヤトの視察に訪れたアルー副大臣。

オランウータンの提供には、インドネシア側の法整備や政府間の協定などが必要となるため「確約はできない」と強調しながらも「できることから一つずつ手をつけていきたい」と前向きな姿勢を示しました。

また、アルー副大臣らは27日、県庁を訪問し、中村知事と会談しました。
ここでも話題に上がったのはオランウータンです。

(アルー副大臣)
「とべ動物園でハヤト君とあいさつした。将来的にはお嫁さんも…」
(中村時広知事)
「待っております」

中村知事は「ハードルはあるが1日も早くお嫁さんが来ることを期待している」と話していました。

また、一行は27日、環境技術が優れた松山市内の企業4社を視察しました。

このうち三浦工業では、省エネなど環境負荷を軽減する「ボイラ」を見学。
担当者は、海外で主流となっているボイラと比べ、少ない水で蒸気を作り出せるため、効率性や安全性が高いことなどを説明していました。

成長目覚ましいインドネシア市場に、県内企業も熱い視線を注いでいます。