交差点での事故を減らそうと、2月、静岡県藤枝市で全国初となる「多機能カーブミラー」の運用が始まりました。民間企業のデジタル技術で市民を守ります。
<篠原大和記者>
「午後7時すぎ、藤枝市小石川町の市道を走っています。街灯が少なく薄暗い道ですが、光の点滅が見えました。光るカーブミラー、車の中からでもよく見えます」
信号機のない交差点でひときわ目立つ光の点滅。静岡県藤枝市が設置した「多機能カーブミラー」です。ミラーの上にあるAIと連動したセンサーカメラが交差点に近づく車やバイクを検知するとLEDライトが点灯します。市と民間企業が共同で開発し、2月から全国で初めて本格的な運用が始まりました。
<篠原大和記者>
「ミラーの中の赤い矢印は車などが出てくる場所を周囲に知らせています」
点滅するライトでドライバーに交差点の存在や横方向からの車両の接近を知らせ、一時停止、減速を促す狙いです。交通量が多く、学校が近い市内4か所に設置しました。
<藤枝市 交通安全・地域安全課 小林仁課長>
「この交差点では、過去10年間で21件の人身事故が発生しています。実証実験で交差点に進入する車両の速度が平均で約3.3%減速したことが確認できた。特に日没後の時間帯で車両速度の減少が多くみられた」
ドアミラー国内シェア1位の村上開明堂です。光るカーブミラーには地元企業の技術が生かされています。
<村上開明堂 新規事業企画課 橋本彰久さん>
「『ブラインド・スポット・モニター』といいまして、自動車の後方から接近した車両を検知して、情報をミラーに表示する技術をカーブミラーにも応用しています。ミラーの中に相手の車両が映る前に矢印で分かるので、情報が早く入る」
方向を示す部分は、鏡としての機能を残しつつ、内側のLEDがしっかりと光るようになっています。車両が双方向から同時に接近した場合は、高速で点滅することでより強く注意を促します。
<村上開明堂 新規事業企画課 橋本彰久さん>
「人の役に立つ、市民の安全を守る製品ができたと思い、うれしく思います」
<近くに住む人>
「やっぱり目立ちますね。子どもたちも横断するのでありがたい」
「黄色く点滅するのは、すごく分かりやすい。矢印が出るのも(車が)どちらから来るか分かりやすい」
さらに、こんな実験も。横断歩道のそばに設置されたのは、「検知式光るポール」。センサーが歩行者などを認識すると3種類の光が点灯し、ドライバーに存在をアピールします。
<シーキューブ ICT事業グループ 竹内秀紀さん>
「今回、実証実験で公道に初めて置かせてもらい、よい成果、データ、課題が出たので、改良につなげていきたい」
<藤枝市 北村正平市長>
「市民に、これはなんだ、ということをしっかりと知ってもらうことが大事。そのことも含めて、これから台数を増やしていきたい」
デジタル技術で事故削減へ。官民連携で「交通安全日本一のまち」を目指します。
藤枝市によりますと、市内で発生する人身交通事故のうち、およそ3割が交差点での出合い頭の事故だということです。市は今回の取り組みが事故の減少につながればと、大きな期待を寄せています。
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