ロシアによるウクライナ侵攻から1年を迎える中、アメリカ・ニューヨークで開かれている国連の緊急特別会合に出席した林外務大臣はロシアを非難し、即時撤退を求める決議案に賛成するよう各国の代表に呼びかけました。

林芳正外務大臣
「想像してみてください。もし、ある安保理常任理事国があなたの祖国に侵略を開始し、あなたの領土を奪取した後で敵対行為を停止し、平和を呼びかけてきたとしたらどうでしょうか。私はこれを『不当な平和』と呼びたい。このような行為が許されるのであれば、それは侵略者の勝利となってしまうでしょう」

林外務大臣は国連の緊急特別会合でこのように述べ、ウクライナなどと共同提案しているウクライナの平和の早期実現を求める決議案に賛成するよう各国代表に呼びかけました。

そのうえで、ロシアについて「第一に、ウクライナから即時かつ無条件に軍を撤退させなければならない」「拒否権の乱用のみでは飽き足らず、無責任なレトリックを用いて核兵器保有国としての立場も悪用している。核兵器の使用はもとより、ロシアによる核の威嚇は決して許されるものではない」と非難しました。

そして、「ロシアは全ての行為に適切な形で責任を問われなければならない」と強調したうえで、国連加盟国に対し、「直接にせよ、間接にせよ、侵略を支援することを控えるべきだ」と呼びかけています。