寒波で大雪となった先月、三次市で暮らすブワイロさん一家にとっては、ウクライナの冬の景色と似ていて、子どもたちは大喜びだったそうです。

ブワイロさんは、戦争の終わりを願い続けたこの1年間を「長かった」と感じています。

ディミトル・ブワイロさん
「大好きな街で亡くなった人が多すぎて、言葉が出ないくらい悲しいです。戦争が終わっても、すぐには笑えません。涙がたくさん出ると思います」
特に、ふるさとに帰りたいと強く願った出来事がありました。
ディミトル・ブワイロさん
「2か月前に88歳のおばあちゃんが亡くなりました。子どもや孫の面倒をたくさん見てくれたのに、お葬式に出たのは家族4人だけでした」

「あしたこそは、戦争が終わりますように」―。そう願い続ける毎日です。3か月後に迫る広島サミットには、「必ず良い議論がある」と大きな期待を寄せています。
ディミトル・ブワイロさん
「わたしのような一般の人は、サミットで何も言うことはできません。ウクライナに必要なのは、たくさんの兵器を提供してもらうことではありません。ロシアの軍人が自分の家に帰れば、これ以上、血を流すことはないのです。政治家にはしっかり考えてもらいたいです」

当たり前の日常を失い、「避難民」になったそれぞれの1年が過ぎようとしています。ふるさとへの思いを抱えながら、広島で前向きに暮らしを続けています。