長野市長を16年務め長野オリンピックの開催などに尽力した塚田佐さんがきのう86歳で亡くなりました。
晩年は地元で戦争の記憶を語り継ぐ活動にも参加していました。
1991年、歓喜に沸いた長野冬季オリンピックの開催決定。
イギリス・バーミンガムで開かれたIOC総会でプレゼンテーションを行ったのが、塚田佐さんでした。
市長在任中は1985年からの4期16年。
塚田さんはオリンピックの誘致、そして大会の成功に力を注ぎました。
当時を知る市民は。
「オリンピックの時に活躍したという記憶があるね」
「オリンピックのおかげで(長野は)発展したんじゃないかと思う」
「高校生の時学校に来ていただいて、話うかがった思い出があります。ご冥福をお祈りいたします」
長野オリンピックで日本選手団の主将を務めたのが、ノルディック複合で出場した現在の荻原健司長野市長です。
「長野市にオリンピックを招致しようと、最前線に立ったことを考えると、将来を見据えた大きなビジョンを持った人だと思う」
「私自身も塚田市長が作った世界の長野という知名度を生かしながら、市民が誇りを持って暮らせるまちづくりをしなければと思った」
2001年11月、4期16年で塚田さんは政治から引退します。
晩年は、地元・長野市安茂里地区の旧海軍の地下壕を語り継ぐ会にも積極的に参加しました。
戦時中の歴史を語る会で、塚田さんは幼いころの記憶をこう証言しました。
「じいさんがあるとき『海軍がこんな山の中に穴を掘っているようならこの戦は負けだ』と言っていて、子ども心に納得した」
昭和の安茂里を語り継ぐ会の事務局長をつとめる土屋光男(つちや・みつお)さん。
塚田さんがこのあとに続けた言葉が印象に残っていると話します。
「海の海軍が山まで来たらおしまいということと、大人たちがそんなばかげたことを本気でやったと、それが戦争というもんだと。いまはなんとなく俺が考えてもきなくさい。小市の海軍壕のことはしっかり後世に残して伝えなければいけないよと、いう風に身を乗り出して、おっしゃったわけですよ。ああそうなんだと、大変勇気づけられたし、励まされた」
オリンピックを通じて長野市の発展に尽力し、地域との関わりを大切にしてきた塚田さん。
関係者は改めてその死去を悼んでいました。
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