マスク生活も3年目を迎えた。感染予防対策として大切であることはもちろんだが、一律にマスク着用を推奨することへのリスクを指摘する声も出てきている。

その中で特に懸念されているのが「子ども」への影響だ。マスク着用による感染対策の有効性を認識したうえで、あえて子どもには一考すべきどんな危険があるのか。東邦大学感染制御学・小林寅喆教授に聞いた。

■「大人が子どもの変化に気づけない」


ーー子どものマスク着用に関しては、厚労省は「保育所では二歳未満には着用推奨せず」としています。WHO世界保健機関は「原則5歳以下は適切に使用できない可能性があり、着用すべきではない」と助言しています。基準が様々で、子どもへのマスク着用を迷われる保護者は多いようです。

小児科の先生方は、子どもへのマスクはやっぱり危険だという方が多くいらっしゃいます。ですので、子どもへのマスク着用のあり方は見直していかなきゃならないことじゃないかと感じています。

ーー具体的にどんな危険があるのでしょうか?

子どもたちには、マスクをしていなくてはいけないというプレッシャーがあります。そんな中で、嘔吐物などが出たとしても、大人は非常に気づきにくいです。あとは、酸素が十分に取り込めないような息苦しい状況も、マスクの外から見るのではわかりにくいです。子どもはかなり動き回ります。そういう場合に、酸素が足りなくなって、苦しい状況になるっていうのは非常に危険です。

ここでいう子どもとは、幼児から小学校低学年くらいのことを指しています。息苦しいなど言葉でしっかりと伝えられるか、小学校高学年と低学年とではマスク着用を適切にコントロールできるかが異なるため、リスクの度合いも変わってきます。

加えて、やっぱり子どもの成長過程でですね、マスク着用のような制限があるというのは、精神面でも、顔の表情を読み取るという面でも、非常に厳しいと思います。

■「マスクをしても感染リスクは大きく変わらない」


ーーでも、マスクをしないと感染リスクが高まるから不安と感じる方は多いと思います。

マスクをしたからといって感染対策に十分なのかということがあります。子どもは長時間、適切にマスクの着用をすることが非常に難しいんですね。ずれてしまうこともあります。もしそうであれば、マスクをしても、しなくても、リスクは大きく変わらないので、小さな子どもはもうマスクを外して、過ごすということでいいのではないかと思います。

ーー保育園、幼稚園、学校など、集団感染を防ぐ、また濃厚接触者とならないためにマスクが必要との考えもあるようです。

集団生活をしているのであれば、集団的な感染が起こるということも想定しておかなくてはならないと思うんです。その場合にもですね、子どもたちは比較的軽症で済むことがわかってきています。例えば集団で感染が起きた場合には、今までも風邪などで行っていたような、学級閉鎖などの対応策をとって子どもへの影響を少なくしていくということなんだと思います。