JR釜石線を走るSL銀河は客車の老朽化から今年6月で運行を終えます。盛岡市のSL検修庫で21日、中間検査を終えた機関車のかまに火が入りました。

 SL銀河の火入れ式が公開されるのは2014年以来のことです。火入れの大役はJR東日本の関連会社に勤める整備士の蒲澤廣さん(74)が行いました。1964年、中学卒業後に当時の国鉄に入社して以来長年SLに関わってきた鉄道マンです。

「点火!」

 20日に釜石市で採火されたものづくりの火が、SL銀河のかまに入れられました。煤や油で汚れるSLをいかにきれいに保つか、安全運行を陰で支える整備士の誇りでもあります。

(JR盛岡鉄道サービス 蒲澤廣さん)
「このかまは日本で一番きれいだとSLファンから言われていますので。磨きが十分にかかっている。普段手が届かないところまで掃除している状態です」

 観光面からの復興を後押ししようと2014年にJR釜石線で運行が始まったSL銀河は、これまでおよそ7万人の乗客を乗せてきましたが、客車が老朽化したことから今年がラストシーズンとなります。
 12月に始まった中間検査で念入りに整備を行い、ピカピカに磨き上げましたが、シーズン最初の火入れは鉄が膨張するため神経を使います。

(リポート)
「火入れされたSL銀河、このあと5時間かけてゆっくりとかまを温めていきます」
(JR東日本盛岡支社 盛岡車両センター 本倉幹弘 所長)
「我々、車両を整備する担当に限らず、このC58を大切に思っていまして特別な存在です。これまでの取り組みの集大成としてラストシーズンのSL銀河の運行はなにがなんでも成し遂げたいと考えております」

 火入れされたSL銀河はゆっくりかまの温度を上げて、機関車の状態を見ながら3月25日に始まるラストシーズンの運行に向けて試運転が行われます。