備前平野に春を呼ぶ西大寺会陽が、おととい(18日)3年ぶりに観客2万人を入れて行われました。去年、おととしに続き宝木争奪戦は中止となりましたが、裸衆が境内を練り歩く伝統の「地押し」も復活しました。

(参加者)「ピシッとしますね」「懐かしいですね」
「わっしょい、わっしょい」

おととい行われた西大寺会陽です。3年ぶりとなる、観客を入れての開催。待ちわびた約2万人を前に、マスク姿の裸衆が姿を現しました。
(佐藤大祐記者 リポート)「3年ぶりに、裸の男たちが帰ってきました。境内に威勢のいい掛け声が響いています」

掛け声をあげながら、境内を練り歩く「地押し」です。
(参加者)「最高です」
地押しの開催は3年ぶり。寒風吹きすさぶ中、2000人が身を清めます。
(観客)「だんだん賑やかになるし、楽しいです」
「イケメンたちの裸がいっぱい見られてよかったです」

新型コロナ対策のため、宝木の争奪戦は行われませんでしたが、祝主を務めたRSK山陽放送と銘建工業の代表者2人が宝木を授かり、室町時代から続く伝統を、次の時代へと繋ぎました。
(参加者)「楽しかったです。お祭りの時に会えるメンバーもたくさんいて、やっぱりいいもんだなと思いました」

地域に福を分ける儀式も行われました。
(祝主 RSK山陽放送 里見俊樹 社長)「500年以上続くこの西大寺会陽継承に参加させていただいたことを大変光栄に、また幸せに感じております」
(祝主 銘建工業 中島浩一郎社長)「続けることっていうのは本当に大変だな、というのを実感させていただきました。今まで来たことと、今あることをこれから続けることっていうのは、本当に大事だなと」

そして、一夜明けたきのう(19日)、境内では岡山学芸館高校の和太鼓部や地元ゆかりの音楽家によるコンサートが開かれました。新型コロナ終息への願いを込めながら、一部の行事が復活を果たした今年の西大寺会陽です。

(西大寺観音院 坪井綾広住職)「地域が3年ぶりに一致団結したと申しますか、また来年会陽ができる、という期待が持てた年になったと思います」

宝木を授かった福男の復活を、「来年こそは」と期待しながら…。今年ももうすぐ、備前平野に春がやってきます。