福島県内で、注意が必要な災害のひとつが火山です。吾妻山の火山防災について考える講演会が開かれ、専門家は今の状態でも「小規模な水蒸気噴火は十分起こり得る」と警鐘を鳴らしました。

福島大学・長橋良隆教授「県内の活火山の中でどれが一番活動的かというと、吾妻山です。」

20日に福島市で開かれた講演会でこう話したのは、火山地質学を専門とする福島大学の長橋良隆教授です。

吾妻山では、去年3月およそ3年ぶりに火山性微動が観測されるなど火山活動の高まりが見られました。

長橋教授は、吾妻山で大規模な噴火が起きる可能性は低いと見ていますが、過去の噴火の傾向から「小規模な水蒸気噴火」は十分起こり得ると警鐘を鳴らします。

福島大学・長橋良隆教授「(吾妻山では)水蒸気噴火が発生する可能性が最も高い。噴出規模は数十万立方メートル程度」

そして、万が一吾妻山が噴火した時に備え「火山を知ること」が大切だと指摘しました。

福島大学・長橋良隆教授「(吾妻山は)普段は静かにしていて噴火の兆候が見えるわけではないが、身近にある火山がどういうところにあって我々がどういうところに住んでいるか意識することが大事」