春の風物詩「シロウオ漁」は、例年であればこの時期に福岡市の室見川で見られますが、近年漁獲量が激減していて今年は漁が中止となりました。現地では、シロウオを残していこうと産卵場所の整備活動が行われています。


◆「絶やさないように生態系を守って」
RKB堤千春「砂に埋もれている石を掘り起こして、このようにシロウオの産卵場所を作っていきます。作業を積み重ねていると、たくさんシロウオがうまれてほしいなと思い入れが強くなってきますね」

福岡市の西部を流れる室見川。18日、地域住民や漁協関係者など約60人が集まり、シロウオの産卵場所を整備しました。この取り組みは、福岡大学の水工学研究室が中心となって行っているもので、参加者は河川の改修工事などで埋もれてしまった石を掘り起こしていました。

参加者「増えればいいかな、食べたことないんで、増えたらたくさん食べられるようになってほしい」「福岡市の西の春の風物詩として昔からシロウオはあったから、それを絶やさないように生態系を守ってほしいですね」


◆去年の漁獲量は26キロ
室見川のシロウオの漁獲量は、2011年には約250キロありましたが、近年は減少傾向が続き去年は26キロしかありませんでした。今年は漁獲量が見込めないことや資源保護のため、漁を中止しました。

福岡大学水工学研究室 伊豫岡宏樹助教「川自体に、こういうシロウオの産卵場をつくる能力があるという場所をつくれれば、もちろんそれが一番いいが、それは一朝一夕にはいかないところもある。あとは地域の人たちの意識を向けてもらうとか、楽しんでもらう場にしたい」

江戸時代から300年以上続くとされる室見川のシロウオ漁。春の風物詩を残すためには、息の長い活動が必要となりそうです。