「買われた方については悲惨な状況になるな」預金通帳を“改ざん”
Aさんに投資マンションを売った福岡市の不動産会社の社長が取材に応じた。

不動産会社社長
「8割方見ずに決める方がほとんどですね。昔から投資不動産の販売について、見せない、考えさせない、相談させないというのがありまして」
不動産会社の社長は、Aさんが購入したマンションの状況について事前に現地で確認していたという。その上で評価額以上の価格で売ったと話した。

不動産会社社長
「買われた方については悲惨な状況になるなという風に思っていました」
マンション購入の融資はスルガ銀行が行った。その過程で、「ある不正」が行われたという。

不動産会社社長
「ローンを通すために頭金がないなら、あるように作成、エビデンス(預金通帳)の偽造。物件の評価がでなかった場合は、レントロール 家賃の改ざんですね」
Aさんが持っている大手銀行の預金通帳を見ると、 2017年1月13日の時点で、残高は49万円あまりだ。一方、Aさんがスルガ銀行から取り寄せた、その通帳のコピーとされる紙を確認すると、 同じ1月13日の残高は3349万円あまりと、 3300万円も水増しされていた。


さらに取り寄せた資料の中には、払った覚えのない手付金2580万円の領収書が含まれていた。
不動産会社の社長は、これらの不正を知りながらマンションを売ったと話した。断ることはできなかったという。
不動産会社社長
「断ると提携を切られて、それ以降弊社の融資がなくなりますので。販売する時に、これはきついかなっていうのはあっても、銀行側のプレッシャーで販売せざるを得ない。弊社ももちろん悪いんですけれども」
不動産会社はこうした手法を繰り返して、売り上げを伸ばし、 少なくとも10棟の不良物件を売ったと証言した。誰が書類の改ざんをしたのかは、わからないという。