静岡県沼津市に本店を置く「スルガ銀行」。 2018年、シェアハウス「かぼちゃの馬車」をめぐる不正融資が明るみになった。スルガ銀行は不正融資を認め、オーナー側と和解が成立している。だが、いまだに解決していない問題がある。投資型のマンション・アパートの販売だ。購入した男性は「平穏な生活から地獄に落ちた」と、被害を訴える。

「絶対的に信用した」 (不動産会社によると)銀行が“お墨付き” 「事故物件」を2億4000万円で購入

福岡市に住む50代の会社員Aさん。2億4000万円で大阪市内の投資用マンション1棟を購入した。5階建ての外壁がきれいに塗り直されている。築30年以上には見えない。

しかし、中に足を踏み入れると、目を疑う状態だった。

このマンションは49ある部屋のうち、現在、人が住んでいるのは20部屋。 5階の空き部屋は、天井を失い、 鉄骨がむき出しになっていた。屋根から漏れている水が原因だという。

オーナーの会社員Aさん(51)
「マンションの天井部分の屋上からの漏水になるので、屋上を直すとなると2000万円、3000万円かかってくるというのは管理会社から聞いています。

浴室で、入居者が亡くなられていた。死後数週間経った後に発見されたので、取り替えないと難しいのですが、なかなか費用がかけられていない」

このマンションは「事故物件」と呼ばれる部屋を多く抱えているという。それなのに、なぜAさんは購入したのか。

会社員Aさん
「(不動産会社によると)銀行側からの紹介物件ということもあったので、お墨付きということもあって、信用してしまった。(契約前に)現地には行っていないという状況です」

Aさんは、物件を直接見ずに購入しても損をしないという自信があったと話す。

会社員Aさん
「私も以前、銀行に勤めたことがありまして、その時、融資業務とかもやっていましたので、銀行は融資に関して非常に厳しい審査をしますので、銀行がお墨付きの絶対評価が出てくるという物件があれば、それは絶対的に信用したということがありました」