「自殺した同僚もいます」相次ぐ被害者 融資は1051億円
取材をすすめていくと、Aさんと同様の被害を訴える人が全国各地、そして海外にもいることがわかった。
被害を訴える男性
「私と同じようにスルガ銀行の返済に一人で悩み家族を残して自殺した同僚もいます」
被害を訴える男性
「貸せないはずなのに通帳の改ざん。お金がなくなってしまって(家族の)生活を養えなくなって離婚しました」

少なくとも438人。購入先の不動産会社は様々だが、全ての人が高額なローン契約を「スルガ銀行」と結んでいた。彼らは、「スルガ銀行不正融資被害者同盟」を結成した。

被害者同盟によると、スルガ銀行による融資は、793のマンション・アパートで行われそのローンの総額は1051億円に上るという。
被害者同盟は、スルガ銀行に、かぼちゃの馬車のシェアハウスと同様に高額なローンと購入した物件を相殺するよう一括解決を求めて2022年2月、東京地裁に調停を申し立てた。
弁護団のひとり、五十嵐潤弁護士はこう話す。

被害者同盟弁護団・五十嵐潤事務局長
「スルガ銀行がもう仮審査を通している優良物件ですと、銀行がもうOKを出している優良物件なんです、というのが殺し文句だっていうことを、多くの被害者が言っています」
会社員のA同様に、弁護団が入手した他の被害者の資料でも、家賃収入を示す明細表の改ざんや、自己資金の改ざんが、融資の過程で使われていたという。
さらに、弁護団によると、被害者の多くは、居住地から遠く離れた場所にある物件を勧められていた。買う前、買った後に物件を見に行かせないためだという。

「被害者同盟」のメンバーが所有する793の物件のうち半数以上が居住地から300キロ以上離れていた。