「“がれき”と呼ばれたくない」きっかけは“憤り”

なぜ収集したのか?当時、被災地に飛び交っていた“ある言葉”に憤りがありました。

山内宏泰館長:「次の瞬間、『がれき』と呼ばれたのは受け入れがたかった。他人からゴミ呼ばわりされるのは気持ちよくない」

自身も津波で自宅が流された山内さん、この12年の間、繰り返し耳にしてきた「がれき」に対する心境を今もうまく表現できないでいます。

山内宏泰館長:「一個一個に生活の記憶が宿っていたはずのもの。本当に悲しかった。いや、でも憤りって言えば憤り」

山内さんはこれらを価値あるものとして“被災物”と呼び、2013年から展示を始めました。震災から12年、伝承施設が整備される中、どこよりも震災の脅威をリアルに伝えていると再び注目されています。

見学した人は、「ごみじゃないですね、ごみじゃないと聞いて涙が出てきた」
「本物からしか感じ取れないものなので重要な財産」
と語ります。

山内宏泰館長:「我々がどういう気持ちを抱くか、なんとかして共有してもらわないと乗り越えられない」

さらに“被災物”には地元の方言で短いストーリーを添えました。