防衛省は2月14日、日本でも目撃された気球について「中国の無人偵察用と強く推定される」と発表。与野党からはこれまでの政府の対応に苦言が相次ぎました。今回の事態を受け、政府は無人の気球などを撃墜できるように自衛隊の武器使用ルールを見直す方向で調整に入りました。一方、中国側は抑制的な報道で、世論の刺激を避ける思惑も見えます。

数年前から日本の領空で目撃…武器使用ルール見直しへ

2020年6月、宮城で目撃された気球。天体望遠鏡で撮影した男性は、その様子に驚いたといいます。

動画の撮影者 遠藤茂さん
「物体には6つのプロペラが付いていて、2つだけが勢いよく回っていた。十字の真ん中にはパラボラアンテナみたいなのが付いていて、太陽光パネルが太陽の方に向いて可動しているのがわかった。いや~すごいなと…」

気球はここ数年、日本の領空で毎年目撃されています。

2019年には鹿児島。2021年には青森。そして2022年は沖縄でも。

防衛省は2月14日になって、このうち3つを「中国の無人偵察気球であると強く推定される」と発表したのです。そして中国側に「領空侵犯は断じて受け入れられない」と申し入れました。

最初の目撃から4年。政府の対応に与野党から苦言が呈されました。

小野寺五典 元防衛大臣
「今まで中国のものということを把握できていなかったのか。であれば、そこはやはり日本として大変大きな問題だと思いますし、仮に把握していたのに今まで抗議していなかったということであれば、さらにもっと大きな問題だと思っております」

野党が問題視したのは、2020年6月当時の河野防衛大臣の発言。

記者「また日本に戻ってくる可能性はないか?」

河野太郎 防衛大臣(当時)「気球に聞いてください」

記者「日本の安全保障に影響を与えるものではないか?」

河野防衛大臣(当時)「ん?」

記者「気球が…」

河野防衛大臣(当時)「どの気球?」

記者「通り過ぎた気球」

河野防衛大臣(当時)「ああ~安全保障に影響ございません」